「夢はかなう」「夢は諦めちゃダメだ」
こんな風に誰かに言われたら、胡散臭いと思うだろうか。思うだろうなぁ。なに熱くなってんだ。誰だって現実と折り合いつけながら生きてんだよ。ってね。
でもね、以前もこのブログで書いたけれど、こういう仕事をしていると「ほんとうに夢はかなうんだ!」ってことを素直に信じさせてくれる人に出会うものです。別に芸能人やスポーツ選手だけじゃない。身近にいる一見ふつうの人の中にも、諦めずに夢をかなえている人がいるんだなって。
番組の取材で一軒のカフェにお邪魔した。
日進市の竹の山という地区は、万博の駐車場だったところを大規模に開発していて、住宅や店舗がここ数年急速に増えている新しい街だ。そこに5年前に開業したという「ブリットボウル」というお店。できたばかりの頃は、前を通る道路も一日に数台しか車が通らなかったそう。それが今ではほんの500メートルほどの間に、カフェやスイーツ、オシャレな雑貨店やヘアサロンが立ち並ぶ「激戦区」となっている。
店のオーナーは私と同世代の女性。15年間勤めたIT企業を退職し、意を決してカフェを開業したのだという。男性と肩を並べてバリバリ仕事をしながら、美味しいものをお腹いっぱい食べられる店をつくりたいとずっと思っていたのだとか。
思いは強くても飲食業はまったくの素人。はじめは本当に大変だったそうだ。仕込みも仕入れもわからないことばかり。料理を出すのに30分もかかってしまったり、味つけを間違えて慌ててつくり直したり。
それでも諦めることなくやれることから少しずつ変えていき、今では竹の山でも指折りの繁盛店になっている。ランチタイムには平日にも関わらず奥様たちで満席、どころか順番待ちの行列ができるほどだ。
店だけじゃなくスタッフも育った。素人同然だった厨房スタッフ(皆さん近所の主婦たち!)も、今年になって立て続けに調理師免許を取得したのだという。賑やかにお喋りしながらも手際よく仕込みをしていく様子は、すっかりプロの顔だ。
無謀と言われようが、大変とわかっていようが飛び込む勇気。どんなことにもくじけず続けることの大切さ。己を信じ、人を信じて前に進む覚悟。言葉にするとかんたんだけれど、誰もができることではきっとない。
朝の9時から夜12時まで店に立ち、こんなにも成功していながら「人生、今日よりも明日、というように成長したいですよね」とブログに綴る。貴方はすごい人です、オーナー。
そしてもう一人の「夢をかなえた人」の職業は、パイロット!
男の子なら誰でも一度は憧れそうだけれど、「プロ野球(今はサッカーか?)の選手」と同じくらい、夢のままで終わることが多いんじゃないかな。
出会ったのは、とある学習塾主催のイベント。さまざまな職業のオトナが子どもたちに向けてリアルなお仕事の現場の話を聞かせるという催し。友人に招かれて私も放送業界のウラ側を(番組つくるのってこんなに大変なんだよーと)話してきたのだが、その講師の1人にパイロットがいた。
子どもの頃から乗り物が大好きだった彼は、中学生の頃、初めて乗った飛行機に感激しパイロットになりたい!と思ったのだとか。ここまではよくある話。
大学を卒業し、大手航空会社のパイロット試験を受けるが不合格。一度は他の職業に就いたものの諦めきれずにいたところ、国内地方路線を主に運航する航空会社が既卒者を対象にした募集をしているのを知り応募。見事合格したのが28歳の時。今はいつかお客さんを乗せて大空を飛ぶ日を夢見て、訓練と勉強の日々だいう。
驚いたのは、パイロットという職業はなるのも大変だが、なってからも大変だということ。
まず大手航空会社を受験できるのは一生に一度だけ。彼のように一度不合格になると再受験することができない狭き門なのだ。
入社試験に合格してからも、さまざまな試験が続く。操縦するための試験はもちろん、無線や計器飛行のための試験、さらには厳しい身体検査も(メタボはダメなんだって!)
そのうえ、こうした試験は失敗が許されない。同じ試験を2回続けて落ちたら、その時点でパイロットを諦めなければならないんだとか。えー、それってすごいプレッシャーじゃん。たまたま体調が悪いときだってあるでしょう、と思って気づく。多くの人の命を預かる仕事なのだ。体調が悪いなどという理由が許されるはずもない。
副操縦士から機長へ(ここまでで平均10年はかかるそう)無事になれたとしても、半年ごとの試験が定年まで続くのだそう。うーん、機長を見る目が変わりそうだ。だって絶対に赤点を取ることのできない試験なんだよ。いまだに試験の夢を見るなんて言ってる私には想像もつかない厳しさだ。
まだ訓練生である彼の人生は、これから先も試練でいっぱいに違いない。それでも、
「パイロットは飛行機の中でいちばんの特等席に座る。離陸する時、目の前が空でいっぱいになる瞬間、あぁ本当にこの仕事についてよかったと思う」
そう話す彼の顔は輝いていた。
「♪負けたら終わりじゃなくて やめたら終わりなんだよね」
『夢をかなえるゾウ』というドラマの主題歌だった、私の好きな曲の一節だ。
「夢はかなう」というのは絶対とは言えないけれど、たった一つ、確かなことがある。どんな夢も諦めたらそこで終わりだということ。諦めなかった人だけが夢をかなえることができる。
あなたの夢はなんですか?
前半に紹介した「ブリットボウル」は、10月10日(日)の東海テレビ「スタイルプラス」で放送される予定 です。竹の山のみなさん、撮影ではたいへんお世話になりました。番組では他にも美味しいお店がたくさん登 場します。どうぞお楽しみに!
こんな風に誰かに言われたら、胡散臭いと思うだろうか。思うだろうなぁ。なに熱くなってんだ。誰だって現実と折り合いつけながら生きてんだよ。ってね。
でもね、以前もこのブログで書いたけれど、こういう仕事をしていると「ほんとうに夢はかなうんだ!」ってことを素直に信じさせてくれる人に出会うものです。別に芸能人やスポーツ選手だけじゃない。身近にいる一見ふつうの人の中にも、諦めずに夢をかなえている人がいるんだなって。
番組の取材で一軒のカフェにお邪魔した。
日進市の竹の山という地区は、万博の駐車場だったところを大規模に開発していて、住宅や店舗がここ数年急速に増えている新しい街だ。そこに5年前に開業したという「ブリットボウル」というお店。できたばかりの頃は、前を通る道路も一日に数台しか車が通らなかったそう。それが今ではほんの500メートルほどの間に、カフェやスイーツ、オシャレな雑貨店やヘアサロンが立ち並ぶ「激戦区」となっている。
店のオーナーは私と同世代の女性。15年間勤めたIT企業を退職し、意を決してカフェを開業したのだという。男性と肩を並べてバリバリ仕事をしながら、美味しいものをお腹いっぱい食べられる店をつくりたいとずっと思っていたのだとか。
思いは強くても飲食業はまったくの素人。はじめは本当に大変だったそうだ。仕込みも仕入れもわからないことばかり。料理を出すのに30分もかかってしまったり、味つけを間違えて慌ててつくり直したり。
それでも諦めることなくやれることから少しずつ変えていき、今では竹の山でも指折りの繁盛店になっている。ランチタイムには平日にも関わらず奥様たちで満席、どころか順番待ちの行列ができるほどだ。
店だけじゃなくスタッフも育った。素人同然だった厨房スタッフ(皆さん近所の主婦たち!)も、今年になって立て続けに調理師免許を取得したのだという。賑やかにお喋りしながらも手際よく仕込みをしていく様子は、すっかりプロの顔だ。
無謀と言われようが、大変とわかっていようが飛び込む勇気。どんなことにもくじけず続けることの大切さ。己を信じ、人を信じて前に進む覚悟。言葉にするとかんたんだけれど、誰もができることではきっとない。
朝の9時から夜12時まで店に立ち、こんなにも成功していながら「人生、今日よりも明日、というように成長したいですよね」とブログに綴る。貴方はすごい人です、オーナー。
そしてもう一人の「夢をかなえた人」の職業は、パイロット!
男の子なら誰でも一度は憧れそうだけれど、「プロ野球(今はサッカーか?)の選手」と同じくらい、夢のままで終わることが多いんじゃないかな。
出会ったのは、とある学習塾主催のイベント。さまざまな職業のオトナが子どもたちに向けてリアルなお仕事の現場の話を聞かせるという催し。友人に招かれて私も放送業界のウラ側を(番組つくるのってこんなに大変なんだよーと)話してきたのだが、その講師の1人にパイロットがいた。
子どもの頃から乗り物が大好きだった彼は、中学生の頃、初めて乗った飛行機に感激しパイロットになりたい!と思ったのだとか。ここまではよくある話。
大学を卒業し、大手航空会社のパイロット試験を受けるが不合格。一度は他の職業に就いたものの諦めきれずにいたところ、国内地方路線を主に運航する航空会社が既卒者を対象にした募集をしているのを知り応募。見事合格したのが28歳の時。今はいつかお客さんを乗せて大空を飛ぶ日を夢見て、訓練と勉強の日々だいう。
驚いたのは、パイロットという職業はなるのも大変だが、なってからも大変だということ。
まず大手航空会社を受験できるのは一生に一度だけ。彼のように一度不合格になると再受験することができない狭き門なのだ。
入社試験に合格してからも、さまざまな試験が続く。操縦するための試験はもちろん、無線や計器飛行のための試験、さらには厳しい身体検査も(メタボはダメなんだって!)
そのうえ、こうした試験は失敗が許されない。同じ試験を2回続けて落ちたら、その時点でパイロットを諦めなければならないんだとか。えー、それってすごいプレッシャーじゃん。たまたま体調が悪いときだってあるでしょう、と思って気づく。多くの人の命を預かる仕事なのだ。体調が悪いなどという理由が許されるはずもない。
副操縦士から機長へ(ここまでで平均10年はかかるそう)無事になれたとしても、半年ごとの試験が定年まで続くのだそう。うーん、機長を見る目が変わりそうだ。だって絶対に赤点を取ることのできない試験なんだよ。いまだに試験の夢を見るなんて言ってる私には想像もつかない厳しさだ。
まだ訓練生である彼の人生は、これから先も試練でいっぱいに違いない。それでも、
「パイロットは飛行機の中でいちばんの特等席に座る。離陸する時、目の前が空でいっぱいになる瞬間、あぁ本当にこの仕事についてよかったと思う」
そう話す彼の顔は輝いていた。
「♪負けたら終わりじゃなくて やめたら終わりなんだよね」
『夢をかなえるゾウ』というドラマの主題歌だった、私の好きな曲の一節だ。
「夢はかなう」というのは絶対とは言えないけれど、たった一つ、確かなことがある。どんな夢も諦めたらそこで終わりだということ。諦めなかった人だけが夢をかなえることができる。
あなたの夢はなんですか?
前半に紹介した「ブリットボウル」は、10月10日(日)の東海テレビ「スタイルプラス」で放送される予定 です。竹の山のみなさん、撮影ではたいへんお世話になりました。番組では他にも美味しいお店がたくさん登 場します。どうぞお楽しみに!
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by aya_harumi
| 2010-10-08 15:37
| 「想う」こと。