お刺身、と言ったら何を思い浮かべますか!?
 
 私は断然マグロ。トロが食べたい!などと贅沢は言わないけど、赤身のマグロをつんとワサビをきかせて食べるのは大好きだ。
 ハマチやブリも好き。ブリは特に父方の出身地(岐阜 高山)の風習で、子どもの頃からお正月には欠かせない食材だった。山間地ではブリは貴重品で、だから年越しのご馳走として食べられてきたのだと言う。「今年も一年無事に過ごせました、の“無事”と“ブリ”をかけて・・」云々という父の話が始まると、あぁ今年も一年終わったのだなぁと子供心に感じたものだ。
 実家では照り焼きにして食べていたけど、今わが家ではお刺身でいただく。少し贅沢になったもののご馳走には変わりない。
 
 ご馳走と言えば鯛という人もいるだろう。“めで鯛”食材、ハレの日に食べるご馳走という地位は日本全国どこへ行っても共通だろうとずっと思っていた。
 
 ・・違うのだ。ところかわれば、だったのだ。


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 岡山県備前市の日生(ひなせ)というところへ行ってきた。瀬戸内海に面した小さな港町。港からは小豆島へ渡る船が出ていたりするものの、鄙びた雰囲気のあるのどかなまちだ。
 ここは古くからの「鰆(さわら)」の産地の一つ。魚へんに春と書くこの魚は、5月から6月にかけて産卵のために播磨灘にやってくる。その漁の様子を取材させていただくのが目的だったのだが、私の興味はもうひとつあった。鰆の食べ方だ。
 
 わが家でも鰆はよく食べる。切り身で売られているのを買ってきて味噌漬けにして焼くと、柔らかい白身に味噌が香ばしく沁みてとても美味しい。一般的には甘い西京味噌に漬け込んだ「西京漬け」が有名なのではないだろうか。
 
 ところが岡山では鰆を刺身で食べるという。
 調べてみると、岡山県は鰆の消費量日本一なのだそうだ。産地なのだから新鮮な魚が手に入るというのもあるが、なんと岡山の市場には日本各地でとれる鰆が集まってくるのだという。
 それほどまでに鰆を食べる岡山県民。いったい岡山の人にとって、鰆ってどんな魚なんだろう?
 

 港に着きさっそく漁師さんたちにお話を伺うと
「5月に入ったら鰆、鰆、鰆」
「鰆とれたからいっぱいやろかってな」
「青年団の集まりや同窓会でも鰆料理」
「人が集まりゃ鰆切らんかってなるなぁ」
 と次々と飛び出す。
 鰆のとれる5月にはちょうど節句がある。子どもの日のご馳走は日生では「さわら寿し」。仲間が集まれば、もとは漁師料理だったという「炒り焼き」を囲む。ハレの日やめでたい席には必ず鰆が食卓にある。日生の人々にとって鰆とはそういう魚らしい。
 

 港での取材を終えた後、地元のスーパーにも立ち寄ってみた。目ざすは鮮魚売場。見慣れた切り身も確かにあったが、刺身売場のそれも特等席に「鰆の刺身」が鎮座している。お惣菜コーナーには「さわら寿し」が山積みになっている。
 
 ところが日生港からわずか10キロほど離れたところにあるスーパーには、鰆の刺身は影もカタチもない。もう1軒、全国展開する大手スーパーにも行ってみたがこちらにも全くない。不思議に思って地図を見てみたら、どちらのスーパーも住所は兵庫県赤穂市だった。
 岡山県の東の端に位置する日生と、兵庫県西端の赤穂市。わずか10キロの間に県境をまたいでしまったようだ。そして「鰆の刺身」境界線も。
 本当に岡山(南部)だけの食べ方だったんだなぁ。局地的な鰆への愛情にふれることができて、驚くとともになんだか嬉しくなった。
 

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 取材でいただいた「鰆のたたき」はほんとうに美味しかった。かつおのたたきよりもあっさりしていて皮が香ばしくて。名古屋でも食べられたらいいのに、と思ってはたと気づく。
 そうだ。これは日生に来て食べるからこそ旨いのだ。瀬戸内のおだやかな初夏の日差しの下、潮風に吹かれながら港町を歩き、日生の人々の温かい人情にふれながらいただく料理だからこそ。旅の楽しみはまさにそこにある。

 どうぞ岡山に行ったら美味しい鰆の刺身を探してみてください。
 

 
 この日取材させていただいた鰆漁の様子は、5月28日(金)のTBS系列「えなりかずき!そらナビ」で放送される予定です。なんとロケでは今年いちばんの豊漁だったとか。どうぞお楽しみに!
 最後になりましたが、日生漁協の天倉さんや漁師の松原さんはじめお世話になった日生の皆様、ほんとうにありがとうございました。名古屋に来たらぜひ「味噌煮込みうどん」食べて行ってくださいね。

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# by aya_harumi | 2010-05-25 12:44 | 日記
 朝、犬の散歩をして川沿いの道を歩いていたら、風に吹かれて綿のようなものがふわふわと漂っていた。誰か羽毛布団でも解体した?っていうぐらいの量。
 川べりに降りてみるとさらにすごい量の綿毛が、川の中から舞い上がっているように見える。

 何これ!? 好奇心にかられて発生源を探すと、どうやら水辺に生えている木のあたりらしい。ところどころいちめん綿の穂だらけになっている木があって、風が吹くたびにぶわーーっと綿毛が舞い上がっているのだ。うわぁ、真下に立つとまるで綿毛のシャワーのよう!

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 降りしきる綿毛に、あたり一面真っ白。遊歩道の脇には吹きだまりのように綿の帯ができていた。

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 いったい何の木だろう? 家に帰って調べてみたら、正体はヤナギの木らしい。そういえば、川べりの土手にヤナギが植わっていたような気がする。
 ヤナギと言えばしだれ柳。怪談話につきものなのもあってどこか物哀しいイメージだが、こんな時期があるなんて。五月晴れの青空に向けて盛大に綿毛を飛ばす様子は堂々として、命の輝きにあふれていた。


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 綿の中には、よく見ないとわからないほどの小さな小さな種がある。仰ぐほどの大木からは想像もできないほどの華奢な種。風にのって遠くまで種子を飛ばすために、余分な栄養は持たずにできるだけ身軽にしているのだという。うまく風にのれば1キロ先ぐらいまでは飛んでいくのだとか。確かに、散歩から帰る道すがら気をつけて見ていると、ふわふわと空中を漂っているものがあった。1キロどころか、町内全部に届いていそうなイキオイだ。

 ヤナギの種は数日間しか寿命がなく舞い降りたらすぐに発芽するそうだ。こんなにたくさん降り注いだらあちこちヤナギだらけになるんじゃないだろうか。
 ところが実際にはそうはならない。おそらく小さな種が発芽できる環境はごく限られているのだろう。適したところにうまく着地できたものだけが発芽できる。発芽できたとしても、大きな木に育つまでにはさまざまな試練があるのに違いない。だからこそ、子孫を残すために種子を遠くまで飛ばすようになったのだろう。
 
 そういえば昨日まで雨だった。土の地面はまだぬかるんでいるところもある。今日はうって変わって穏やかな晴天。微風。気温高め。ヤナギは湿潤なところを好むというから、今日盛大に種子を飛ばしているのは生存の確率を少しでも高めるためなのかもしれない。

 命のもつたくましさ。自然に組み込まれた精巧なプログラムにただただ畏れ入る。


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 散歩を終えて。体にほわほわとした綿毛がいっぱいついていた。うちの庭にヤナギが生えたら、こいつのせいだ。



 儚いヤナギの綿毛が風にのって運ばれていくのは応援したい気分になるが、空中を漂って広まってもらっては困るものもある。その最たるものがウィルスだろう。インフルエンザとか最近で言えば口蹄疫とか。宮崎の人々の苦難に思いを馳せつつ、一刻も早く終息することを願わずにはいられない。
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# by aya_harumi | 2010-05-21 14:07 | 日記
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 大型だったらしい今年の連休、ポルックスはいつも以上にフル稼働。取材をし、台本を書き、ロケをこなし、編集作業にカンヅメになり、やっとこさ無事にナレーションを撮り終わり・・・と思ったら連休もすっかり終わっていました。あぁあ。


 制作していたのは、東海テレビ「スタイルプラス」の人気コーナー「東海仕事人列伝」。東海地方で働く方を取り上げ、仕事に対するこだわりや情熱を描く硬派のドキュメントだ。
 今回の仕事人は「ホテルの総料理長」。名古屋で最も古く、伝統と格式のある名古屋観光ホテルの総料理長を取材させていただいた。


 事前にした下調べによれば、名古屋観光ホテルの総料理長 森 繁夫氏は、フランスで最も権威のあるフランス料理アカデミーから正式に認められた、最高の技術を持つ料理職人の一人だ。名古屋に皇室や各国要人などVIPが訪れた時には必ず腕を振るう、日本を代表するグランシェフ。すらりと高〜いコック帽姿は威厳と貫禄たっぷり。でもインタビュー記事をいくつか読むと、とても気さくな人柄だという。いったいどんな方なんだろう?


 「すいません、遅くなりまして」
 いえいえいえ、とんでもない。私たちが約束の時間より少し早めに着いたのですから。という挨拶とともに始まった取材。話せば話すほど噂通り気さくな方で、しかもとてもお話上手。楽しくインタビューしているうちにあっという間に時間が経ってしまうほどだった。

 ふだんは温厚でも仕事は厳しい。「部下を怒鳴りつけたりすることもあるんですか?」と伺うと、「年に1〜2回はね」とニッコリとされた。
 誰よりも早く出社し、率先して現場に立つ。後輩に教える時は、まったく同じ条件で自分も一緒に料理を作ることもあるのだとか。
 そして人に対してだけでなく、自分に対してもそれ以上に厳しい。総料理長に昇り詰めてもなお、一人の料理人として新作料理を発表し続けていらっしゃる。「階段を一段上がるとまた違う景色が見えてくる」と言う。すごいなぁ。


 私はどうだろう。作家という仕事の一端に関わるようになってかれこれ20年。この道42年の森料理長の半分にも満たないが、階段を上がり続けているだろうか。
 おかげさまで毎回いろんな分野のさまざまな人にお会いすることができて、新鮮な気持ちは持ち続けることができている。けれど上がった階段の上で前を見なければ、違う景色は見えないのだ。足元や後ろを見ていては、そこに広がる景色はわからない。上がるために一歩を踏み出すこと、顔を上げてしっかりと前を見ること、どちらもとても勇気とエネルギーがいるに違いない。


 森料理長のスゴさは、どうぞ番組を見てください。ゴールデンウィークの忙しいさなか、うちのディレクターがぴったり2日間密着して撮らせていただいた秘蔵映像が満載です。
 「怖い人で、厳しい人で、でも温かいところもあります」と、厨房で働くスタッフが語ってくださったとおりの料理長がたっぷり映っています。


 取材を通して想ったこと。私のような若輩者が口にするのはとても僭越なのだが、

 ─── なんてまっすぐな人なんだろう

 仕事に対しても生き方に対しても、真ん中にすっと一本筋が通っている。そんな素敵な人生の先輩に、また一人お会いすることができてとても幸せなひと時でした。
 

 そうそう、森料理長のまっすぐで純粋なことを表すとっておきのエピソード(ハプニング?)が取材中にあったのですが。インタビュー後、自分でも予期しなかった現象に照れまくりの料理長、同席した広報の女性スタッフに「お前、絶対にこのことみんなに言うなよ」と必死で口止めしていらっしゃいました。
 というわけなのでここには書けませんが(残念)。そんなお二人のやり取りを見ながら「あぁ、こんな上司の元で働けたら楽しいだろうなぁ」と想わずにはいられませんでした。


 ロケの後、うちのディレクターは「今度プライベートで食べにいらっしゃい」と声をかけていただいたとか。その時はぜひ私も誘ってください。ね。



 この模様は、5月9日(日)の東海テレビ「スタイルプラス」で放送される予定です。
 最後になりましたが、森総料理長、田口さん、そしてスタッフの皆さん、お忙しい中をほんとうにありがとうございました。おかげさまで素敵な番組に仕上がったと思います。この場を借りて心よりお礼申し上げます。

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 わが家の中学生のムスメたちがそろって期末試験中だ。
 特に中3の長女はもう後がないと、内申点アップを狙って猛勉強している。つられてのんびり屋の次女までが目の色変えて机に向かっていたりする。家の中もなんだかピリピリしていて、仕事がなくてものんびり寛げない雰囲気だ。
 
 頑張れ、頑張れ。このご時世、別に偏差値の高い学校に行けば将来が保証されるなんて誰も思わない。けれど進みたい学校があって、そこに向かって頑張ると決めたのならばやれるところまでとことん頑張ればいいと思う。自分のために。成功しても失敗しても、その体験はきっとキミたちの糧になるはずだから。
 
 
 いまだに試験の夢を見る。
 「どうしよう、明日試験なのに何も勉強してない!」と焦る夢。冷や汗をかきながら目を覚まし、学生時代からは遠く離れた自分を認識してやっと「あぁよかった。もう試験を受けなくていいんだ」とほっとする。原稿の締め切りに追われている時によく見るから、心理状態があの頃と似通っているのかもしれない。あれ、だけど学生時代は一応真面目に勉強してたから、ノー勉で試験受けたことなんてなかったはずだけどな。
 
 中学までは学年トップを維持していた私でも、やっぱり受験勉強は心のどこかで辛かったのだと思う。やってもやっても終わりが見えないような気がして、常に気持ちが焦っていたようにも思う。だから卒業して20年以上たった今でもこんな夢を見るのだろうな。
 
 でもね、そんな思いをしてでも初志貫徹して合格した高校で、私は二度とは得られない貴重な宝物をもらったと思っている。
 それは十代の最も多感な時期の、キラキラと輝く時間という宝物だ。いい仲間と出会い、毎日が刺激的で、それはそれは濃密だった3年間。あまり過去を振り返らない主義の私でも、あの時代にだけはもう一度戻れるものならば戻りたいと思う。そのくらい楽しい高校生活だった。
 
 
 夏休みの終わり、ムスメの体験入学にかこつけて20数年ぶりに母校を訪れた。
 私たちの時代にはなかった学科が新設されていたり、武道場が新しくなったりしていたが、他は呆れるほどに変わっていなかった。行事はすべて(体験入学も)生徒が自主的に運営するところも、部活動が盛んなところも、3年生が秋の文化祭に向けて夢中なところも、遅刻者が毎朝異常に多いところも。そして何よりも生徒一人一人が生き生きとしているところが。
 訪れた中学生たちに向かって先輩が口々に言う。
 「この学校はほんとに楽しくて大好きです」
 うんうん、私も大好きだったよ。こんな風に自分の学校を誇れるなんて、とても幸せなことだと思う。
 
 
 受験勉強には是非もあるだろう。今の入試制度が必ずしもいいとも思わない。少子化の時代、選ばなければ全員が高校に進学することができるとも言われている。
 でも「どこでもいいや、入れれば」と進んだ学校で果たして愛着や誇りが持てるだろうか。かけがえのない3年間を悔いなく送ることができるだろうか。
 
 高校時代は2度とはない。これだけは真実だ。今頑張っている受験生のみんなに、悔いのない時間を過ごしてほしいと心から願う。
 春まであと少し。サクラが咲くことを祈っているよ。
 
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# by aya_harumi | 2009-11-26 00:04 | 日記
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 毎朝毎晩天気予報が気になる。
 晴天の日が続けば「そろそろ一雨きてくれないかなぁ」と願い、雨が降り続くとそれはそれで心配になってくる。気温や風の変化にも以前より敏感になった。
 
 それというのも、庭の一角に小さな小さな畑をつくったからだ。
 
 秋風が吹き始めた頃から暇を見つけて少しずつ耕し、先月この畑にホウレンソウや春菊の種を蒔いた。イチゴやエンドウ豆の苗も買ってきて、小さな菜園も少しずつ賑やかになってきている。小松菜やサニーレタスは既に何回か食卓に彩りを添えてくれている。
 

 先月は雨が待ち遠しくてたまらなかった。
 以前、このブログにも「雨は私たちの仕事にとって大敵」と書いたのであまり大きな声では言えなかったが。いや、もちろん今だってロケや取材の日はすっきりと晴れてほしいと思っているが。
 
 種まきをしたものの、なかなか芽が出てこない。家庭菜園の本を読むと「発芽するまでは土が乾かないようにしましょう」と書いてある。ジョウロで水やりをしたりしていたが、どのくらい与えればいいのかよくわからず手加減しながらだったからか、畑は沈黙を守ったままだ。
 
 失敗したか、と思いかけた時。
 夕方ポツポツ・・ときたかと思ったら、サァーッと雨が降り始めた。小一時間ほど降ってすぐにやんだように思う。
 
 翌朝見ると、土の上に一列にホウレンソウの小さな芽が並んでいた。昨夜の雨でいっせいに発芽したようだ。ジョウロの水じゃなくて、天から降る雨の方が刺激になったのかもしれない。雨の力ってすごいなぁとあらためて思った。
 
 その後、まだ苗が小さかった時に今度はかなり強い雨が降り続いた日があった。畑は水没、苗もこのままだと根腐りしてしまいそうだ。「もういいよ。もうそろそろやんでくれ」と天に向けて願う。幸い雨が降り止んだ後でしばらく晴天が続き、育ち始めた野菜はなんとか無事だった。今度はお天道様の偉大さをあらためて噛み締めた。
 
 今月に入ってからは、さらに雨が恨めしい。先月に比べ日差しが弱まり、日も短くなったせいか、一度雨が降るとなかなか土が乾かない。朝晩冷え込む日も多くなりそろそろ霜の心配もしなくてはいけない。雨が降らない悩みは水やりでしのげるが、まさか畑の土をドライヤーで乾かすわけにもいかず、天気予報とにらめっこの日が続いている。
 

 「そらナビ」というお天気情報番組を担当している。番組の中の「産地直行」というコーナーで、全国各地に食材の産地を尋ねて取材させていただいている。畑で野菜をつくったり海で魚をとったり自然相手に頑張っていらっしゃる方たちにお天気への想いを伺ってきた。
 
 当たり前だがお天気はどうにもならない。雨が多い年があれば少ない年もある。台風や豪雨が大切に育ててきた野菜を台無しにしてしまうこともある。海が荒れて船が出せないとか、気温が高く不漁が続いていると嘆く漁師さんもいらっしゃる。時には「しゃあないなぁ」と諦めることもあるのだとか。
 
 その気持ち、今はすごくよくわかる。素人の家庭菜園ですらハラハラするのに、まして生活がかかっている農家や漁師さんたちは天にも祈る心地だろうと思う。思い通りにならない自然を相手に、人間の知恵が及ぶ範囲はごくわずかなのだと教えてくださった農家の方もいた。それだけに、美味しいものを届けることができた時の喜びもまた大きいのだと。
 
 この番組を担当するようになって畑へ行く機会が増え、野菜づくりも面白そうと軽い気持ちで始めた菜園だったが、あらためて農家の方たちの大変さを実感できている。自然の恵みに感謝する心も。
 
 
 朝のうち晴れていた空が、今またどんよりと曇ってきている。午後からは冷たい雨になりそうだ。どうか早めに低気圧が通り過ぎて、暖かな日差しが戻ってきますように。
 あした天気になぁれ。
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 今月から全国ネットの番組を担当することになった。
 リサーチして、取材して、撮影して・・という仕事の中身はいつもと変わらないが、違うのは取材先。東海ローカルの番組なら取材先も視聴可能エリア(愛知・岐阜・三重)だが、全国ネットということは当然全国が対象になる。北は北海道から南は沖縄まで。場所によっては泊まりの取材も増えそうだし、車で行くのがほとんどだったのに比べ、今度は新幹線や飛行機での移動も多くなるのだろうな。
 
 と考えていたら出張用のカバンが欲しくなった。
 車ならふだん使っている仕事用カバンとは別に、着替えを詰めたボストンバッグを積んでいくこともできるが、電車を乗り継いでの移動なら荷物は一つにまとめたい。取材先でメモを取りながらロケハンしてまわることを考えたら、両手があくショルダーになるものがいいな。もしかしたらノートパソコンを持っていくこともあり得るから、PC対応にもしておきたい。着替えと資料やノートを入れるところは別になってる方がいいし、名刺や携帯やペンをさっと取り出せるポケットも充実していて欲しい。
 
 あれこれと欲張りながらネットで探してみると、そんな条件を満たす出張用カバンがたくさん見つかる。が、どれも男性用なのだ。ごついし、重いし、女性が持って似合うとはとうてい思えない。実用一点張りなのもなんだか持ってて楽しくなさそうだ。いかにも仕事で出張に来てます、みたいな感じ。
 以前もこのブログに書いたが、新幹線や飛行機での移動が苦手な私にとって、仕事とは言えできることなら楽しく出かけたい。行ったことのない土地に行き、その町のいろんなところを見てまわりたい。そんな旅のお供になるようなカバンはないものか。
 
 あった。KIPLING(キプリング)というベルギーのブランド。名前の由来は世界中の子供たちに読み継がれる『ジャングルブック』の原作者J.Rキプリング氏からだそうで、全商品にブギー・モンキーのマスコットがついている。アウトドアブランドとしての機能性はもちろんだが、最近では「ワーキングライフ」というビジネス向けのモデルもたくさん出ている。
 
 一目見て「これだ!」と直感。半日お休みを取り、アウトレット店に出かけて巡り会ったのが写真のカバンだ。必要な条件をすべて満たし、なおかつ遊び心も満載で持ってるだけでワクワクする。とても満足な買い物だった。


 さっそくそのカバンを持って初出張に行ってきました。
 今回は東海道新幹線と東北新幹線、JR東北線を乗り継いで栃木県の下野(しもつけ)市というところへ。苦手な新幹線はポケットにしのばせていった文庫本を読みながらやり過ごし、帰りは取材先でいただいたおみやげまで楽々収納し、切符をどこに入れたっけと探すこともなく、カバンのおかげで往復6時間以上の旅路も苦ではありませんでした。
 よし、出張どんと来い。日本中どこにでも出かけてガンガン仕事してやる。カバンひとつでこんなにやる気になるのなら、お安いものだ。
 
 
 こんな風にさんざん吟味して選ぶこともあれば、目と目が合った瞬間に衝動的に買い物してしまうこともある。いずれにしてもせっかく買ったからには長く大切に使いたい。モノの命を全うさせてやると言えば聞こえがいいけれど、まぁ要するにモトを取りたいと思うのだ。そうして長く使っているうちに、大してこだわって買ったわけでもないのに妙に愛着がわいてくることだってある。
 

 先日。台所用品が増えてしまったので、掃除のついでに少し整理することにした。
 わが家ではザルやボウルや鍋など頻繁に使うものは、すぐに手に取れるように引出しの中にはしまわない。けれどオープンキッチンなので、見た目がごちゃごちゃしないよう選ぶ時は白かステンレスの銀色に揃えてきた。
 その中でひとつだけ浮いていたのが、プラスチックのピンク色のボウル。結婚する前、私が一人暮らしをしていた時に当時の職場の先輩からもらったものだ。それもプレゼントとか言う訳じゃなく、「実家で余っていたからよかったら使って」といただいた生活用品のうちの一つ。どこのスーパーやホームセンターにもあるような、ありふれたボウルだ。

 引っ越すたびに持ってきて、かれこれ20年近く使っていたことになる。よく見れば細かい傷が無数について満身創痍。いくらなんでももういいよね。100円ショップでも買えそうなものだったから、十分どころか百万分くらいモトはとったぞ。似たような大きさのボウルは他にもあるし、長い間ご苦労様と感謝しながら不燃ゴミに出した。
 
 しばらくして、ムスメたちが尋ねてきた。
「ねぇ、あのピンクのボウル知らない?」
「あぁあれなら処分したよ」
「ええーーっ!なんで!?」
「いや、だってもうずいぶん使ってたし」
「困るよ。あのボウルないと朝のオムレツつくれないじゃん」
「他にも使えるのがあるじゃない」
「ダメなの! オムレツにはあのボウルじゃないと」

 そんなに愛着があったのかとあらためて驚く私。きっとボウルも本望に違いない。
 実はもう一つ、結婚当初に買って17年ほど使っているボウルもあるのだが「サラダ和えるのにこれじゃないとダメ」と言われそうで捨てるのを躊躇している。なんなんだ、この物持ちの良さは。



 この日の取材は栃木県へカンピョウの生産農家を訪ねました。栃木の皆さんの温かいご協力もあり撮影が無事終了し、ただいま編集中。7月24日(金)のTBS系列「えなりかずき!そらナビ」で放送される予定です。お寿司などに入っているカンピョウって何からできてるか知ってますか? 全国生産量の98%をつくっているという栃木でその秘密を探ってきました。どうぞお楽しみに!
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# by aya_harumi | 2009-07-19 10:42 | 日記
 ふだん車でばかり移動しているので、たまに電車に乗ると妙にワクワクする。それが「ローカル線」となったら尚更だ。

 梅雨の晴れ間、ほとんど遠足気分で乗ってきた三岐鉄道・三岐線。全長26.5km。始発駅から終着駅までおよそ50分、往復しても2時間ほどのプチ旅行だった。
 いや、楽しかったのなんのって。
 車窓からの眺めも楽しめたし、のんびりした車内の空気はローカル線ならではだし、駅員さんもみな親切だったし。私は「鉄ちゃん」じゃないけれど、夢中になるキモチは少しだけわかったような気がする。


 今日はロケハンで、本番の撮影はこれからなので詳しいことはあまり書けませんが。車中や駅のホームから撮った写真を載せておきます。旅情のおすそわけに。

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車窓にはこんなのどかな田園風景が続きます。


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黄色の車体がかわいらしい。


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終着駅のホームには蒸気機関車がいました。ただし展示車輌だそうです。


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途中、こんなところも通っていきます。全国でも珍しいんだそうです。


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改札は自動改札機でしたが、1日フリー券を買ったらわざわざ鋏を入れてくれました。
懐かしい! 鋏を入れる駅員さんもちょっぴり嬉しそうだったような。




 平日の午後2〜4時という時間帯だったせいもあり、車内はパラパラとお客さんがいる程度。だったのが・・・

 帰りの電車で途中の駅のホームが超満員。乗り込んで来たのは制服姿の高校生たち! 近くに高校があるらしく、しかも一斉下校だったのか車内は一気にスクールバス状態。汗臭い男子たちとミニスカートに生足の女子たちでてんこ盛り。
 隣に座っていたうちのディレクターにとってはラッキーか!? いや、だめだ、ほら取材用にってビデオカメラ持ってるし。一歩間違えば犯罪者。そうでなくても超怪しいおやぢ。疑われないようにと身動きもできずに乗っておりました。楽し過ぎ。


 この日取材させていただいた「ローカル線の旅」は、7月12日(日)の東海テレビ「スタイルプラス」で放送される予定です。地域住民から生活の足として親しまれる三岐鉄道。その路線をあずかるベテラン運転士さんに密着します。どうぞお楽しみに!
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# by aya_harumi | 2009-06-23 22:48 | 日記