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 世間はGWらしいが、ポルックスはそんなのどこ吹く風で取材にロケにと飛び回っている。まぁ毎年のことですが。
 
 そんな連休の谷間だった1日。愛知県の西尾市に私たちは向かった。「人生の応援歌」という番組の取材とロケハンに。お天気はまずまず。名古屋から車で1時間半ほど。行きの車の中で食べようとおにぎりなんかも持参していて、ちょっとした遠足気分だ。いっしょに行く相手がうちのムラセというのはさておいて。
 
 「人生の応援歌」では、この道ひとすじで長年ひとつの仕事を続けてこられた方を毎週一人ずつ紹介している。5分という短い番組ながら5年目に入り、放送回数もこの5月3日で210回を数える。このブログの前にやっていた「春のおと」でも書いていたくらいだから、相当長続きしている番組だ。
 
 そんな私たちの番組宛てに、一通のお便りをいただいた。「人生の応援歌制作 担当者様」という書き出しで。
 
 送ってくれたのは西尾市立西尾小学校の5年2組のみなさん。なんでも総合学習の時間に西尾の職人さんたちを調べ、夏休みには一日弟子入り体験をしたりして、職人さんたちから話を聞いたのだそうだ。たくさんの苦労や悩みがあるのを知り、自分たちにできることはないかと話し合ったのだとか。
 そして、町の職人さんたちをもっと知ってもらおうと、自分たちが調べたレポートを依頼文に添えて送る事にした。市の広報や新聞社の方にも送ったけれど「職人というだけでは取材できない」と言われ、どういう人が取材してもらえるか、取材する価値とはどういうことか、またみんなで話し合ったけれど結論は出なかったらしい。悩んだ挙げ句、とにかく読んでもらって、番組スタッフ(私たち)に取材する価値があるかどうか決めてもらおうということになったのだと綴られていた。
 
 「読んでいただいた結果、取材はできないけど、こんな職人が西尾にいるということだけでも知ってもらえればうれしいです」
 
 という言葉で、その手紙は締めくくられていた。そしてそれに続くレポートには、西尾に住む10数人の職人さんたちが写真と丁寧な文章とで紹介されていた。
 
 もうね。制作スタッフ一同、感激しましたよ。涙もろいTプロデューサーなんか「やりましょう!西尾月間!」と会議の場で即決だったもの。
 
 その後いろいろ放送スケジュールを調整して、6月の一ヶ月間、子どもたちが取材してくれたレポートの中から出演を承諾してくださった方を4週続けて放送することに。題して「西尾小学校プレゼンツ」。ちゃんと番組の冒頭で、西尾小の名前も出すことになったようです(今はもうみんな6年生に進級しちゃってるんだけどね)。
 
 そんなわけで、この日は4本放送するうちのポルックス担当分2本の取材とロケハン。
 一件目の刃物職人さんの後、次のアポの和菓子屋さんへ行ったら、なんと西尾小の子どもたちが! どうやら私たちが取材に来ることを知って、学校が終わってから待ち構えてくれていたようだ。総合学習でこの店の職人さんのレポートを書いてくれた子もその中にいて、私たちは直接お礼を言うことができた。ありがとう、今日ここに来れたのはキミのおかげだよ、と。
 
 子どもたちと会えて嬉しさに浸ってるばかりじゃいけない、さっそく本題の取材を始めなくちゃ。
 私たちがご主人に話を伺う様子を、横でじっと見つめる子どもたち。付き添いに来てくださった先生が取材の様子を学校のHPに載せたいからと写真まで撮っている。き、緊張するなぁ。
 
 この番組を担当していて毎回すごいなぁと思うのは、一度として同じ台本にはならないことだ。200回以上の放送のうち、半分の100人以上の方にお会いして台本を書いてきたことになるのに。
 人それぞれ、人生はみんな違っている。だから素晴らしい。そしてどんな方の人生にも必ずドラマがある。どんなに小さな店の職人さんでも、長年その仕事をひとすじにがんばってきた方というのは、辛さや苦しさも含めて自分の仕事を愛していらっしゃるものだ。丁寧にお話を伺っていくうちに、その方の人生がくっきりと輪郭を見せ始める。それを映像で形にするのが、私たちプロの仕事なのだろう。
  
 取材する価値とはどんなことなのか、どういう人が取材してもらう価値があるのか悩んだというキミたち。
 それはね、取材される職人さんの側にあるのではなく、キミたち取材する側にあるのだと私は思う。
 相手の話にいっしょうけんめい耳を傾ける。その人のすごいところはどこだろうと想像力をめぐらせる。何より相手を尊敬し共感する。そうやって相手の懐に入っていって伺った話というのは、きっとものすごく価値がある。そしてそれを多くの人に伝えたいと思う強い気持ちが、人の心を動かす文章になる。
 キミたちの書いたレポートはどれも、私の目にはとても価値のあるものだったし、職人さんのことを伝えたいという思いにあふれていたよ。
 
 番組の趣旨で、実は子どもたちが推薦してくれた4代目ではなく、そのお父さんの3代目が主役になってしまったのは申し訳ないのだけれど。でもちゃんと4代目にも画面に出てもらうからね。どうか楽しみにしていてください。
 

  中京テレビ「人生の応援歌」、西尾小学校プレゼンツは6月7日・14日・21日・28日です。
  この日、私たちが取材させていただいた和菓子の穂積堂さんは14日に、
  刃物のこわやさんは28日に放送される予定です。

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by aya_harumi | 2008-05-04 00:58 | 日記