作文を書く。
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 あるとき部屋の整理をしていたら昔撮ったビデオが出てきた。娘たちが幼かった頃のビデオ。もうすっかり忘れてしまっていたなぁと久しぶりに再生してみたら、家の中で、近所の公園で、保育園で、よちよち歩いたり笑ったり泣いたりしている娘たちが次々と映し出された。うわぁ、可愛い!こんなときもあったんだ。懐かしくてほろ苦くて、気づいたら何度も何度も見ていた。
 そしてふと考えた。もうすっかり大きくなってしまった娘たち。彼女らとこの家で一緒に暮らせるのはあと何年だろう。ともに語り、笑い、ときに喧嘩しながらも日々を過ごせる今このときが、かけがえのないほど大切なものかもしれないと。
 そう思うようになってから、ノートに日記のようなものを綴っている。娘たちとの出来事……休みの日にランチを食べに行った、一緒に料理をつくった、こんな話をしてくれた……何気ない日常でページがどんどん埋まっていっている。
 娘たちが旅行に出かけたときは、旅先で撮った写真をメールで送ってもらいコラージュに。旅の途中で見たものや美味しかったものの話も添えながら、まるで自分が行ったかのような壮大な旅日記になる。娘たちの嬉しそうな顔がたくさん溢れていて、読み返すだけで楽しいページだ。
 娘たちには少々面倒臭い母親だと思われているに違いない。でも分厚くなったノートをめくりながら思う。いつかきっと、娘たちが巣立っていった後に、このノートに綴った日々は宝物になるに違いないと。こんな時もあったね、あんなこともあったね、楽しかったねと、懐かしくほろ苦く語り合う日がやがてくるのだろう。
 そのときを楽しみにまた何気ない日々を綴っていこう。一日一日、「今」このときを大切に抱きしめながら。




 久しぶりに作文を書いた。
 
 きっかけは夕食のときの長女との会話だった。
 現在大学3年生、絶賛就活準備中の長女、この秋から冬にかけて志望業種のセミナーやらインターンシップに精力的に参加している。人気業種は参加するにも選考があって、本番さながらのES(エントリーシート)が求められたり、課題として作文が必須だったり。私たちの時代の就活とは大違い、今の学生はほんとうに大変。
 
 で、もうすぐ締め切りのとある会社の作文、お題は『私が大切にしていること』。書く内容が浮かばずに四苦八苦してるのだとか。
 「これ、“もの”じゃなくて“こと”なんだよねぇ。」
 「そう。大切な“もの”なら簡単なのに“こと”って言われると意外と難しくて」
 「“家族”とか“友達”とか“時間”とか、みんな書いてきそうじゃない?」
 「あるある。できればみんなと違うこと書きたい」
 「いっそ“お金”とか“出世”とか一見ネガティブなもので書き出すっていうのは?」
 とか何とか、とりとめもなく話していた。こういう会話の中からアイディアが突然ひらめくこともあるからね。いいよ、つき合いますよ。というくらいの軽いキモチ。
 
 すると、突然ひらめいてしまった。私が。
 猛烈に書きたくなって、長女にパソコン借りて一気に書き上げたのが冒頭の作文。
 原稿用紙に文字を埋めていく作業は無性に懐かしくて楽しくて、あぁやっぱり作文好きだなぁとあらためて思う。規定の800字、原稿用紙2枚を書いて長女に見せたら
 「なんでお母さんが書いてんの。しかもこれパクろうにもパクれない内容じゃん」
と呆れられた。はい、すみません。

 私の作文が功を奏したかどうかはギモンだが、その後無事に長女も書き上げたようで、朝起きたら机の上にプリントされた作文が置いてあった。
 はいはい、添削しろということね。
 読んでみたらなかなかうまく書けている。全体の構成は完璧。バランスもいい。少しだけ言葉を言い換えたり、なくても伝わるところを削ったりした後で、余白に「うまくなったね、作文」とコメントしておいた。
 
 文章を書くのは筋トレと似ている。ふだんから地道に書き続けていると、脳みその筋肉が鍛えられてどんどん上達してくる。言いたいことを表現するための語彙も増えていく。なにより頭の中でもやもやしていたことがすっきりとカタチになる。考えたことが血肉となり、また次の思考の海へと漕ぎ出すことができる。
 
 以前このブログにも綴ったが、毎日のように締め切りに追われていた時期が私にもある。お陰でずいぶん書く筋肉は鍛えられたように思う。逃げ出したくなるほど辛かったこともあるが、久しぶりに書いてみたら楽しさが甦ってきた。
 まだ私の筋肉、衰えていないかな。たまには筋トレしましょうか。楽しみながら。


 *作文中の「日記のようなノート」は instagram (@haru_note)で公開しています。よろしければこちらもどうぞ♪
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by aya_harumi | 2015-12-12 12:41 | 日記
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