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試験中
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 わが家の中学生のムスメたちがそろって期末試験中だ。
 特に中3の長女はもう後がないと、内申点アップを狙って猛勉強している。つられてのんびり屋の次女までが目の色変えて机に向かっていたりする。家の中もなんだかピリピリしていて、仕事がなくてものんびり寛げない雰囲気だ。
 
 頑張れ、頑張れ。このご時世、別に偏差値の高い学校に行けば将来が保証されるなんて誰も思わない。けれど進みたい学校があって、そこに向かって頑張ると決めたのならばやれるところまでとことん頑張ればいいと思う。自分のために。成功しても失敗しても、その体験はきっとキミたちの糧になるはずだから。
 
 
 いまだに試験の夢を見る。
 「どうしよう、明日試験なのに何も勉強してない!」と焦る夢。冷や汗をかきながら目を覚まし、学生時代からは遠く離れた自分を認識してやっと「あぁよかった。もう試験を受けなくていいんだ」とほっとする。原稿の締め切りに追われている時によく見るから、心理状態があの頃と似通っているのかもしれない。あれ、だけど学生時代は一応真面目に勉強してたから、ノー勉で試験受けたことなんてなかったはずだけどな。
 
 中学までは学年トップを維持していた私でも、やっぱり受験勉強は心のどこかで辛かったのだと思う。やってもやっても終わりが見えないような気がして、常に気持ちが焦っていたようにも思う。だから卒業して20年以上たった今でもこんな夢を見るのだろうな。
 
 でもね、そんな思いをしてでも初志貫徹して合格した高校で、私は二度とは得られない貴重な宝物をもらったと思っている。
 それは十代の最も多感な時期の、キラキラと輝く時間という宝物だ。いい仲間と出会い、毎日が刺激的で、それはそれは濃密だった3年間。あまり過去を振り返らない主義の私でも、あの時代にだけはもう一度戻れるものならば戻りたいと思う。そのくらい楽しい高校生活だった。
 
 
 夏休みの終わり、ムスメの体験入学にかこつけて20数年ぶりに母校を訪れた。
 私たちの時代にはなかった学科が新設されていたり、武道場が新しくなったりしていたが、他は呆れるほどに変わっていなかった。行事はすべて(体験入学も)生徒が自主的に運営するところも、部活動が盛んなところも、3年生が秋の文化祭に向けて夢中なところも、遅刻者が毎朝異常に多いところも。そして何よりも生徒一人一人が生き生きとしているところが。
 訪れた中学生たちに向かって先輩が口々に言う。
 「この学校はほんとに楽しくて大好きです」
 うんうん、私も大好きだったよ。こんな風に自分の学校を誇れるなんて、とても幸せなことだと思う。
 
 
 受験勉強には是非もあるだろう。今の入試制度が必ずしもいいとも思わない。少子化の時代、選ばなければ全員が高校に進学することができるとも言われている。
 でも「どこでもいいや、入れれば」と進んだ学校で果たして愛着や誇りが持てるだろうか。かけがえのない3年間を悔いなく送ることができるだろうか。
 
 高校時代は2度とはない。これだけは真実だ。今頑張っている受験生のみんなに、悔いのない時間を過ごしてほしいと心から願う。
 春まであと少し。サクラが咲くことを祈っているよ。
 
by aya_harumi | 2009-11-26 00:04 | 日記
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